山の環境について
2017.08.12(Sat)
最近、山の環境についていくつか思うことがあり、今回その話をしてみようかと思います
世の中にはいろんな方がいますので、当然私と違う考えの方もいらっしゃると思います
中には私と全く違う考えの方もいると思いますので、この手の話が気に入らない方は、どうかブラウザを閉じてください
続きを読まれて、真面目にお話しされる方にはきちんとお返事するつもりですが、悪しざまに罵る方には一切返答いたしません
予めご了承の上進まれるよう、よろしくお願いいたします
<雷鳥編>
先月登った白馬岳
天候にも恵まれ、素晴らしい景色とお花を堪能したけども、雷鳥にだけは会えなかったという悲しい事実

そんな折、ふと読んだ燕岳の燕山荘のスタッフのブログを読んで、呆れました
つまり…
テント場でラーメンの汁を捨てる人がいて、そのせいでカラスが来るようになってしまったとのこと
私の知り合いが先日表銀座を縦走してきましたが、カラスが来るから今年は雷鳥の姿が見られないと、燕山荘で言われたそうです…雷鳥の姿を見るのを楽しみにしていた知り合いは、「どこかのバカのせいで!

雷鳥のためだけではなく、そもそも塩分・油分を含んだ汁を山に捨てることの意味が、その人達は分かっているのでしょうか?
そんなの大した量じゃないから平気だろう、という人がいます
では、あなたは自分の家の庭にラーメンの汁を捨てますか?
ラーメンの汁をかけられた植木が、元気に育つと思いますか?
土に捨てるんだから問題ないと言われる方もいますが、その汚れた土を元に戻すために、どれだけの微生物が働くことか
そして森林限界を超えた場所では、その微生物がそもそも少ないということを、理解していますか?
カラスはとても頭のよい鳥で、以前美味しい思いをした匂いとかを記憶しているそうです
その匂いを山の上で嗅いだら、そこに餌があると思って餌探しの周回コースに組み入れるそうです
結果、毎日のように燕山荘にやってきて、雷鳥が姿を隠してしまうことになってしまったんです
山の上のラーメンは、私も好きです
でもやはり、ラーメンの汁は捨ててはいけません
もちろん、ごみも捨ててはいけません
捨てていいのは、下界のモヤモヤとしたストレスだけです
<犬連れ登山編>
上記の<雷鳥編>に付随する話として、犬連れ登山について少しお話しします
まず、私は犬連れ登山には基本反対しています
犬を連れている方は、「自分の家族だから」と仰いますし、もちろんとても大事にしているのは分かります
そして、糞はちゃんと残さないようにしていると仰います
でも、おしっこはどうでしょうか?
もちろん、きちんと躾された犬はその辺にしないことも知っています
しかし一方で、犬の本能だからとその辺にマーキングさせる飼い主がいることも、知っています
(実際に、景色を見ながらおしっこしている愛犬の姿が可愛いと、写真をアップしている人がいました)
このマーキングが、野生動物に影響を与える恐れがあると、言われています
野生動物への威嚇、縄張り宣言
野生動物にしてみれば、突然自分の縄張りに見知らぬ匂いが「ここは俺の場所なんだよ!」と入りこまれるわけですから、たまったものではありませんよね
また、ペットを介しての病気の恐れは、以前から指摘されていることです
野生動物にうつす、もしくは飼い犬が病気をうつされる、両方の可能性があります
飼い犬が病気にかかった場合は、病院に連れて行けば何とかなるかもしれませんが、野生動物に病気がうつされた場合は、最悪その種が絶滅する可能性があります
そんなの本当かどうかわからないじゃないかと言われる方もいますが、では実際にそうなった時に責任が取れますか?
そうなってしまってからでは遅いから、環境省のHPでも国立公園の利用上の注意として、ペットを連れての登山は控えてほしいと訴えています
今現在、日本の山にはニホンオオカミがいなくなっています
私達の祖父母・曾祖父母の時代には当たり前のようにいた、生き物です
狂犬病やジステンバー、人為的な駆除に生息域の開発に伴う急速な環境の変化により、一気に絶滅したと言われています
わずか数十年で絶滅した(環境省では50年生存が確認されなければ、絶滅とみなす)実例がある以上、少しでも種の絶滅の危険性を減らし、次の世代、私達の子供や孫に手渡さなければなりません
私達が山で、「こんなに綺麗な自然が見られて幸せだ!」と感じている景色が、50年後100年後も残って、次の世代も同じように感じられたら、素晴らしいことだと思います
なお、日本にはマタギと呼ばれる狩猟文化があり、マタギ犬がいることは知っています
犬連れ登山でよく、「じゃあマタギはどうなんだよ」と引き合いに出される方がいるようですが、マタギ犬に関してはどのように躾けているのか、私にはわかりません
ただ、その絶対数の少なさから考えると、当時の山の許容量を全然超えていなかったのだろうと、予測がつきます
かつて北アルプスで、普通に猟で生活していた人たちがいるのと同じですね
そして、実際に今でもその数は少ないので、マタギを引き合いにされるのはお門違いかと思います
そして最後に申し上げたいのが、世の中には犬が嫌い・苦手な人間がいるということです
私自身は好きでも嫌いでもないですが、犬になめられるのは苦手です
抱きつかれるのも苦手です
ところが犬好きの方によく見受けられるのが、犬が嫌い・苦手な人間がいるなんてありえない、と思われる方がいることです
犬はずっと人間の友達なのに、その犬が嫌いだなんて信じられない!って言われてもね~(^^;
そんな私ですら、突然目の前に犬が現れたらびっくりします
リードに繋がれていたってびっくりして、「うわっ、びっくりした!」と実際に大声を出したこともあります
普通の幅のある山道ならともかく、これが幅の狭い山道で驚いたら、どうなるでしょう
九十九折れの山道で片側が急斜面で、必死になって登っていたら目の前に嫌いな犬がいてびっくりして滑落!なんてなった時、飼い主のあなたは責任がとれますか?
そうなっても、犬は人間の友達なのに驚く方が悪いと、言えるのでしょうか?
以上の事から、私は基本的に犬連れ登山は反対です
ただ基本的にと言っているのは、世の中には犬を連れて登っていい山があることも知っているからです
もっとも、極々一部ですけどね
<トイレ編>
さて、やってきました大問題
これこそ、今回の話のメインを飾る話でしょう
結論から申し上げます
私は人が集中する山では、指定の場所以外のトイレはお持ち帰りを基本にしてもいいのではないかと、思っています
ただしこれにはいろいろ条件がありまして、
まず、登山口に「お持ち帰りした」ブツの回収BOXが欲しいです
さすがに家まで持って帰るのは、キツイです(^^;
その代わり、指定のトイレキットを買いますから、それで回収費用を賄ってほしいです
そうすれば自治体の負担が減りますよね
あとは、男性登山者にお願いかな~
女性登山者が「お花摘み」状態の時はそっと気づかぬふりをして、あと不埒者がいる場合がありますので、そのような輩がその女性を困らせないよう見張ってくださると、とても助かります

男性にとってもトイレ問題は重要ですが、女性にとってはその後の山行に影響が出るほど、重大問題なのです!
さて色々書き連ねてきましたが、まずは最後まで読んでいただき、ありがとうございます
私の考えと違う方々がたくさんいるのは重々承知していますが、それでも今の日本の自然が壊れていいと思っている人はいないと、思っています
山に登り始めて、もうじき7年が経ちます
今まで山に登ってきて感じたことを、今回思い切って書き連ねてみました
山の世界では私達はあくまでも『お客さん』であり、山に生きるものが一番に優先されなければならない、と私は思っています
もっとも私自身山に登る以上、オーバーユースに加担しているわけで、偉そうに何言ってやがると言われたらそれまでなんですけどね(苦笑)
でもだからこそ、少しでも山に与える影響を少なくしていきたいと、常々考えています
最後に…いつまでも美しい自然が、そのままであり続けますように…!
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