2022.08.15 (月)
憧れの地、飯豊山へ ~2日目~
夜中、トイレに起きて空を見上げたら、満天の星空
天の川が見えました
見上げていると、強い光で流れ星が…
明日はいい天気みたいです!

4時44分、日の出

山が目覚めていきます

5時前、朝御飯です
歩荷でしか荷揚げできない小屋で、朝から卵かけご飯って…感謝しかありませんね!

5時40分、切合小屋を出発します
あの一番尖がっている大日岳まで行って、ピストンでこの小屋まで戻ってきます
コースタイムは約10時間
当初の予定では、荷物を持って上がって本山小屋まで行き、そこで荷物を下ろしてから大日岳ピストンの予定でしたが、前日小屋番さん達が「うちに荷物置いてピストンすればいいじゃない、荷物が軽くなれば楽ちんでしょ~」と…
更に悪魔の囁きが…
「うちに戻ってくれば、冷えたビールが待ってるよ~、冷えたビールが待ってるよ~、待ってるよ~…

「…はいっ! 明日も連泊でお願いします!!( ー`дー´)キリッ

誘惑に負けた女…(^^;
登り始めるとすぐに、お花が!

コイワカガミ

ノウゴウイチゴ

アオノツガザクラ


ハクサンコザクラです~


朝早いので、雪もしっかり締まっていました
チェーンスパイク無しでOK

うおぉ~、夏山だ~!(^^

たまりませんね~♪

コバイケイソウ

ここのチングルマは穂になっていました

ハクサンチドリと蜂さん
これは日本ミツバチかな?
毛がもこもこして、とても可愛らしい蜂さんです(^^

ヨツバシオガマ
6時19分、草履塚到着~
ここからは

正面のピークの向こうに、本山小屋がある
ここから一旦下って、登り返しだ…そして左隣のピークが飯豊本山
そこから左へ歩いて行って…

写真左寄りの中央に見える大日岳まで行って、戻ってくる…こうやって見ると、やっぱり結構あるな(^^;

大日岳から破線ルートのオンベ松尾根が見えます
もうね、オンベ松尾根は単純に標高差1700mという、通常ならまずやりたくないルートですよ、暑いし
(^^;
比較対象として挙げるなら、甲斐駒ヶ岳で黒戸尾根を七丈小屋までとか、北岳を広河原から登ってとかで、標高差1600m位
でもあちらはアルプスなので、スタート位置がそもそも高いんですよね
オンベ松尾根ルート、おそらくスタートの標高は400mほどで、そこから2128mまで登るんです…真夏の高尾山よりも低い位置から!


昨日の標高差1200mでヘロヘロな私には、無理~(笑)
日陰に入って

ソバナ

ヒナウスユキソウで~す!
相変わらずフェルトみたいなもこもこのお花、可愛い(^^

鞍部手前
ここから下りて、この先の岩場を越えて、一度また下りて、そして登る…先はまだまだ長いぞっと

ハクサンオミナエシとソバナの大ブーケ

鞍部には


姥権現
昔は女人禁制の山だったのですが、ここまで登って来て石にされてしまった女性
<いいでの伝説>
今は、もうずっと昔のお話です。
小松のある女の人が、女人禁制の霊山とされていた<飯豊山>にどうしても一度は登ってみたいと思いたったのだそうです。
男が二十一日間の精進潔斎をして絶頂に入るなら、女の自分はその倍の日数をかけて精進したらよかろうと、四十二日間の苦行を済ませて登りました。
ところが、途中まで来て、心身ともに疲れたと言って一休みしたら、不思議なことにそのまま石と化してしまったということです。
それは後の世に、<姥権現>として祀られるようになりましたが、生まれ在所の小松の人がそこを通りかかると、なつかしく思うあまり、涙雨を降らせるといいます。
引用 国土交通省 北陸地方整備局 飯豊山系砂防事務所より
女人禁制が解除された、現代で良かった~(^^;

御秘所(おひそ)といいます

ここは左側に向かって、登っていきます

見えにくいのですが、左側にちゃんと足掛かりの場所もありますので、3点支持さえしっかりやれば、何の問題もなく通れます
でも…こっち側から見る右手の崖が、怖かったわ~(^^;
御秘所の岩場を通り過ぎると

オヤマノエンドウ

アキノキリンソウ

イワギキョウ
御前坂を登り

やっと上の稜線に着いた~(^^;
ここは本山小屋のテント場

7時39分、本山小屋到着~
小屋の方に、今日はこちらではなく下の小屋に泊まることを伝え、泊まりをキャンセルする
ちゃんと知らせないと心配かけますから、これは絶対に大事!
山小屋で連絡なしでキャンセルすると、遭難したかと心配かけちゃうんです
体調・気候等々で予定変更は山ではよくある事ですが、連絡無しの変更は迷惑以外何物でもないので、なんとしてでも連絡しましょう!
実際冷えたビールに釣られはしましたが、今回の荷物を背負ってここまで上がるのは、正直キツイなと思っていました
予想以上に、暑すぎでした…(--;

さぁ、ここからは20分ほどで飯豊本山です!

右手に飯豊本山、左側奥に最高峰の大日岳
むむ、大日岳に雲がかかり始めてる



イワシモツケ?

あぁもう、ビクトリーロードって言ってもいいですか?(笑)
その時、足元に…

きゃぁ~、イイデリンドウだ~!!



こっちにも~!

可愛い~、可愛いよ~!!

今回暑いさなか登ってきたのは、ひとえにこの花に会いたかったからなんです!

イイデリンドウは、この先の稜線でも咲いていました(^^
そして7時59分、飯豊本山到着~

今回行くのを止めた、北飯豊への稜線…素晴らしい!


この後行く予定の大日岳…あらら、山頂ガスってる(^^;

しばらく山頂を堪能した後、とりあえず進みます
御西岳までの稜線が花畑と聞いていたので、せめて御西岳までは行こうかな、と

あぁ、本当は行きたかった縦走路…でも仕方ない、道の状況が分からなかったんだもの
梅花皮小屋も、私の予定していた日は管理人がいないから、一人で行くのは怖いし…
単独だとこういう時全ての決断が自分ですから、何の情報もない状況で「多分大丈夫だろう」とか「おそらく大丈夫じゃないかな」という判断は、どうしてもできません
今回は呼ばれていなかった…また季節を変えて来なさいという、飯豊山からの返事なんでしょう
だいたい、一回来ただけで私(飯豊山)に満足するの?と、言われているみたい(笑)

飯豊本山を振り返る
はは、後でこれ登り返しか(^^;

何べん見ても、堂々たる山塊です

ヨツバシオガマ



ニッコウキスゲロード

ハクサンフウロ

これはミヤマリンドウ

ヒオドシチョウ
縁の青のラインが鮮やか!

たおやかな稜線の道を進む

ハクサンフウロの大株

ヨツバシオガマ、の白かな?

タカネマツムシソウ(^^

こちらもミヤマリンドウ
ここら辺はミヤマリンドウなんだね

大体の人が飯豊本山までしか行かなくて、こちらの稜線にはほとんど人がいません
風が通り、花が揺れ、大きなツバメがすごいスピードで飛んでいくのを、一人で堪能…なんて贅沢



ここはチングルマロード!

ツバメが飛んでいる…すごいスピードで!(写真左側辺りの雲をバックにした黒い点)
身体を切り返す瞬間、「シュタッ」と風を切る音すら聞こえる…どれほどの静寂さの中にいるのか
いや、風の音や虫の声はするんです
…自然の音しかないんです、こんなの初めてかもしれない…!

ツバメに導かれるように、ガスの中から御西小屋が出てきました

9時25分、御西小屋到着~
さぁどうしよう、大日岳まで行くか、ここから引き返すか…
コースタイムでは往復4時間弱
でも小屋番さんが言うには、3時間あれば余裕だって

依然真っ白な雲が、頑張っている
でも…風が吹いて、雲が動いてる?
呼ばれている気がする…行こう!
9時45分、大日岳に向けて出発


早速花がお出迎え(^^
ハクサンイチゲだ~!

トモエシオガマ

オヤマリンドウ
お日様がよく当たっているから、先っぽが開いています(^^

やっぱりガスが動いてる…待ってて、頑張るから!

ガス越しだけど、景色も見えてる!

オンベ松尾根がくっきり
そして最後の最後の斜面が、きっつ~



10時58分、山頂到着~
ゼイゼイ、私にしては、かなり、飛ばした…(^^;
山頂で腹ごなしをしてたら、なんとオンベ松尾根を登ってきた方達がやってきました!
案の定、滅茶苦茶キツかったと言っていましたが、「後は下山するだけだしな~、俺達地元だから、暗くなるまでに下に着けばいいんだ~」と仰る、タフなお二人でした(笑)
10分ほど休憩もして、私も出発します

下り始めたらすぐに、登ってきた稜線が!
これは嬉しい(^^
実は休憩した時に気が付いたのですが、私、今日の小屋を切合小屋にしているから、本山小屋から+1時間半見なくちゃいけなかったんだよね(^^;
私の持っている行程表は本山小屋泊の時の物だから、その分時間を早めなくちゃいけなかったのに、つい時間を勘違いしていました…このままだと、16時半頃に小屋に到着することになっちゃう

やっべー!!(;゜0゜)
小屋には遅くとも14時~15時到着というルールが、守れない!?

仕方ない…大日岳の山頂からストック(1本だけ)を使って、スピードアップすることにしました!

写真中央にポツンと見えるのが、御西小屋
でもあそこがゴールではないので、気は緩めない

ミヤマタネツケバナ
12時10分に御西小屋に到着
トイレに行ってエネルギー補給したら、今度は飯豊本山に向けて12時20分出発です!

実はこの稜線の向こうの山並み、右側の山の向こう側の白く見える鞍部、あそこが切合小屋のあるところ
…遠いわっ!(^^;

アサギマダラだ(^^
今年初だね!

イイデリンドウ
本当に可愛い(^^

飯豊本山の手前まで戻ってきました
さぁ「ふぁいとー、いっぱーつ!」

13時32分、飯豊本山到着~
はぁ、なんとか15時半くらいには戻れそう(^^;

これは知り合った登山者に教えていただいたのですが、イイデリンドウは通常花弁が5枚なんです
でもたまに6枚のがあるんだよって
本当だ!
そして今朝偶然にも、自分でも撮っていました

ほらね!
この後本山小屋に行き、手拭いと山バッジを買って、トイレに行ってから出発しようとしたら

大きなテントウムシが(笑)
このテントウムシ、私の小指の爪ほどのサイズで、びっくり!
小屋の管理人の金子さんに、飯豊のテントウムシは大きいですねと言ったら、「俺はこのサイズしか見た事ね~よ」だって(笑)

テント場を過ぎて、御前坂に差し掛かる
ガスが稜線で留まってる…


タカネツメクサ

14時過ぎちゃったけど、天候は崩れなさそうだからよかった(^^;
この稜線もあと少しか…

御秘所の手前
岩場だからね、注意して進もう!

何度も何度も、振り返る
本当に、この景色が素晴らしくて…

草履塚から最後に振り替える
飯豊本山の稜線は、ここを越えると見えなくなっちゃうから
この後は、15時半前に切合小屋に到着しました
行動時間休憩込みで約10時間弱、やり遂げました!
小屋番さん達に戻ってきたと報告し、前日と同じ場所で荷物を片付け、更衣室でお着替えして、前日と同じく手拭い類や帽子を洗って(ついでに頭に水をかけて(笑))身支度を整えたら…晩御飯の支度!
2日目は本山小屋の予定だったので、食料持参です

アルファ米を戻して、フリーズドライのカレー2パック、駄菓子のビッグカツ
そして冷えたビール!!

最高~!

3日目に続く
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